日野皓正さんが中学生に往復ビンタ!ドラムへの思いか?亡き弟元彦さんへの思い?
音楽をやっている人間って言うのはものすごくピースフルなんだよ。(日野皓正)
「世界的なトランペッター日野皓正さんが、舞台上で中学生ドラマーに往復ビンタをした」
映像完全版は週刊文春デジタルで31日から放送されます。
31日出版の週刊文春にも記事が取り上げられているそうです。
本当に とんでもない暴力行為ですね。
「思い上がりも甚だしい」と、ネット上にいっぱいコメントよせられています。
本当にそうだと思います。
ただ、切り口を変えて、
- すでに亡くなっている。日野さんの弟さん元彦さんがトップドラマーだった
- 今回暴力を受けた男の子もドラマーだった
- 弟元彦さんが最後まで向けたドラムソロへの思い
以上を踏まえて、私の目線で調べてみたいと思います。
皓正氏の弟で、すでに亡くなられている元彦さんは最高のドラマーでした、ドラムのあり方をとてもよく判っていた方だったといわれています。
今回日野さんが爆発させた思いはいったいなんだったのでしょうか。
ドラマーへの特別な思いは実際にあったのでしょうか?
本番中!演奏中の中学生を往復ビンタ!
今月20日東京都世田谷区で開かれた中学生との合同コンサートで起きた事件
Dream Jazz Band 13th Annual Consertの本番中、壇上でドラマー(中学生)がソロ演奏している最中、日野氏がそのドラマーのスティックを取り上げ、放り投げた。その後手でドラムを叩き続ける少年に、日野氏は往復ビンタをする。観客は数百人。
このコンサートは世田谷区教育委員会が中学生向け体験学習事業の一環で、生徒は4ヶ月、日野市の元で学んできた生徒たちだった。
その映像はすぐにネットで拡散した。
日野皓正(ひのてるまさ)
- 1942年10月25日生まれ(74歳)
- 世界的なジャズ・トランペット奏者
- 9歳からトランペットを始める
- 13歳の頃から、米軍キャンプのダンスバンドで活動を始める。
- 1964年のベルリン・ジャズ・フェスティバルに出演し世界のジャズ会から注目を浴びる
- 自身で作った日野皓正クインテットではメンバーに新人を加え育てていくので有名
日野元彦(ひのもとひこ)
- 1946年1月3日生まれ
- 1999年5月13日53歳ですい臓がんの為死亡
- 12歳からドラムを始める。
- スイング・ジャーナル誌人気投票で1位になるなど、日本ジャズ界を代表する世界的ドラム奏者
日野兄弟
日野兄弟の音楽への思いとは
膵臓がんで失った弟「トコ」 「そばにいて会話している」
世界的ジャズ・トランペッターの“ヒノテル”こと日野皓正さんは長年、共にステージに上がり続けた天才ドラマーの弟、元彦(もとひこ)さんを平成11年5月、膵臓(すいぞう)がんで失った。ひたむきにスティックを握り続け、53歳で生涯を閉じた元彦さんを「2人ともお互いにリーダーがいる感じだった」とたたえる。没後11年を経ても、「ヤツがそばにいて、会話している」と、変わらぬ兄弟の絆(きずな)を切々と語る。(文・草下健夫)
「兄貴、胃が痛いんだよ」
平成10年秋、トコ(元彦さん)が僕に訴えました。診断は胃潰瘍(かいよう)で、薬を飲み続けて演奏をこなしていました。ところが、コンサートツアーから帰った年明けに、今度は「なんか背中が痛いんだよね」。改めて医者に行くと、「今日にも大きな病院へ」と。都内の大学病院で「膵臓がんが肝臓にも転移しており、余命6カ月」との診断を受けました。
“ドクター・ジャズ”こと外科医の内田修さんが愛知から見舞いに来て下さり、内田さんから告知を受けたトコの最初の一言は「兄貴、かわいそう」。ドラムがいなくなるからです。私も、世の中で一番悲しいことは弟を失うことだと思っていました。トコは入院中も、僕が東京で仕事があると「兄貴、叩かしてくれよ」と、モルヒネを打ってやってきました。病院から許可が出たということは、もう駄目だから…ということだったのでしょう。心配して「お前、ソロなんかやるなよ、軽くやれよ」と声をかけると、「うん」。でも結局、ソロをやめないんです。これで燃え尽きようというくらい情熱的に。僕はそういう姿を見るにつけ、「やっぱり、奇跡が起きないかな」と、しょっちゅう先祖にお祈りしていました。
引用:ゆうゆうLife向き合って トランペット奏者 日野皓正さん
ソロを演奏している中学生のドラマーの少年を見たとき、
皓正さんは元彦さんの最後の演奏、病気の弟との会話を思い出したのではないかな?
と私は思いました。
伝えなきゃいけないことがあって、それを抑えられたくなってしまったのかなと思いました。
まとめ
- 世界的に有名なトランペッター日野皓正さんが、20日本番中に、演奏中のドラマーのスティックを取り上げ、往復ビンタをし、髪を引っ張るという事件を起こしました
- 暴行を受けたのは中学生、日野氏の元で4ヶ月指導を受けた中学生の男の子でした
- 日野さんには特にドラマーへの熱い想いがありました
- 小さい頃から共に音楽に生きた弟さんもドラマーでした
個人的に私は元彦さん皓正さん兄弟とお仕事を何回かさせていただきました。元彦さんのソロは、決して長すぎたりはしませんでした。みんなで演奏していることを深く理解して、その中の自分のソロの長さを知っているドラムでした。その中で、自分を出し切っておられました。皆が自己主張をして、それがすごいセッションになることを知っていたアーティストでした。上の記事のソロをやめない。というのは「ソロをやることをやめない」という意味です。自分勝手にソロを続けたという意味ではなかったのでしょう。
でも、往復ビンタも、髪を引っ張ることも、本番中にスティックを取り上げることも、あってはならなかったと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。